公開: 2026/09/08 / 更新: 2026/10/15 ・ 編集ポリシー

LODは「Limit of Detection」の略で、日本語では「検出限界」と呼ばれます。分析装置や試験方法によって、対象成分が存在すると識別できる最小レベルを示す指標です。 簡潔にいうと、LODは「その分析条件で、対象成分を検出できる下限の目安」です。ただし、検出できることと、その量を正確な数値として示せることは同じではありません。 LOD付近の測定では、対象成分の存在を判別できても、その量を十分な精度で確定できるとは限りません。そのため、LODは「正確に定量できる下限」ではなく、「検出できる下限の目安」と理解するのが基本です。
LOQは「Limit of Quantification」の略で、「定量限界」を意味します。一定の精度を保ちながら、対象成分の量を数値として示せる最小レベルです。 NDは通常「Not Detected」の略で、日本語では「不検出」と表されます。これは、採用された試験条件と報告基準のもとで対象成分を確認できなかったことを示します。
| 表記 | 一般的な意味 | 読むときの要点 |
|---|---|---|
| LOD | 検出限界 | 成分の存在を識別できる下限の目安 |
| LOQ | 定量限界 | 成分量を一定の精度で数値化できる下限 |
| ND | 不検出 | 採用された条件で報告基準を超える結果が確認されなかった状態 |
一般に、LODは成分の有無を識別するための指標、LOQは量を報告するための指標として使われます。検査証明書に微量成分の具体的な濃度が記載されていても、その値がLOQ未満であれば、定量値としての扱いには注意が必要です。
検査結果で見かける「ND」は、通常「Not Detected(不検出)」を表します。不検出とは、採用された試験条件で報告基準を超える信号が確認されなかったという意味です。 したがって、NDを「成分が完全にゼロ」と読み替えることはできません。LOD未満の量が存在する可能性までは否定できないためです。また、検査機関によってはLODではなくLOQや別の報告下限を基準にNDと表示する場合があります。 NDを見たときは、次の点を確認します。
「ND」という記号だけで判断せず、証明書の注記や試験方法と組み合わせて読むことが重要です。
LODは分析対象、測定装置、前処理、試料の性質などによって変わります。同じ成分を調べた結果でも、オイル、グミ、化粧品のように試料が異なれば、検出のしやすさも同一とは限りません。これを試料中の他成分が測定へ及ぼす「マトリックスの影響」と呼びます。 単位にも注意が必要です。mg/kg、µg/g、ppm、重量比など、証明書ごとに表記が異なることがあります。数値の大小を見る前に単位をそろえ、試験方法と対象試料が比較可能かを確認する必要があります。 たとえば、異なる検査証明書に別々の単位でLODが記載されている場合、表面上の数字だけを比べても検出性能の違いは判断できません。対象成分、単位、分析方法、試料の種類がそろっているかを先に確認します。
CBD製品のCOA(分析証明書)を見る際は、CBD含有量だけでなく、確認したいカンナビノイドが検査対象に含まれているかを確認します。次の順番で読むと、LODの数字だけによる誤解を避けやすくなります。
商品名だけでなく、検体名、ロット番号、検査日を確認します。商品ページとCOAのロット番号が一致しない場合、その証明書が手元の商品を直接示すとは限りません。
確認対象の成分が分析項目に含まれているかを見ます。項目が掲載されていない場合、そのCOAだけでは当該成分の検査結果を判断できません。
数値、ND、記号など、結果欄の表記を確認します。NDや記号が使われているときは、脚注や凡例にある定義も読みます。
結果、LOD、LOQの単位が一致しているかを確認します。単位が異なる資料を比較するときは、同じ基準へそろえないまま大小を判断しないようにします。
採用された分析方法と、発行した検査機関の情報を確認します。異なる方法や試料による数値は、単純比較できないことがあります。 最新ロットの資料が見当たらないときや、表記の定義が分からないときは、販売者や発行元へ確認するのも一つの方法です。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 成分名 | 確認したい成分が検査対象か判断するため |
| 測定結果 | 数値、ND、その他の記号を把握するため |
| LOD・LOQ | 検出と定量の下限を区別するため |
| 単位 | 数値を同じ基準で読むため |
| 分析方法 | 結果が得られた条件を確認するため |
| 検体名・ロット番号 | 商品と証明書の対応を確認するため |
| 検査日 | どの時点の検査か確認するため |
| 検査機関 | 証明書の発行元を確認するため |
LODは分析性能に関する指標であり、それ自体が法令上の適否を決める基準ではありません。「NDだから必ず適法」「LODが低いから必ず安全」と判断することはできません。 成分規制への適合性を確認するときは、対象成分に適用される基準、検査結果の単位、製品区分などを照合する必要があります。また、分析対象に含まれていない成分について、COAの掲載内容だけから結果を推測することはできません。 制度や基準は変更される可能性があるため、行政機関の最新情報を確認し、個別の法的判断が必要な場合は専門家へ相談してください。
LODが低ければ、より低いレベルまで検出できることを示す場合があります。ただし、対象成分、単位、分析方法、試料の種類が異なる数値は単純に比較できません。検査全体の適否をLODだけで判断しないことが大切です。
成分が完全に存在しないことを意味するわけではありません。その試験条件ではLODを超えるレベルとして検出できなかった、と読むのが基本です。
成分を検出できる下限を知りたい場合はLOD、量を数値として報告できる下限を知りたい場合はLOQを確認します。COAを読む際は、どちらか一方ではなく、結果の表記や単位と併せて確認します。
同じではありません。NDは一般に、採用された試験条件と報告基準のもとで不検出だったことを示します。どの基準でNDとされたかは、COAの注記や凡例で確認します。
脚注、凡例、別紙の試験方法を確認します。それでも判定基準が分からない場合は、販売者または証明書の発行元へ確認します。
LODは、特定の分析条件で対象成分を検出できる最小レベルの目安です。正確に量を示せる下限であるLOQや、不検出を表すNDとは意味が異なります。 CBD製品のCOAを確認するときは、LODの数字だけで評価せず、LOQ、単位、試験方法、対象成分、検体名、ロット番号まで一体として読みましょう。NDはゼロと断定せず、その証明書で採用されている定義を確認します。 法令への適合性については、検査結果だけで即断せず、対象成分に適用される基準と最新の公式情報を照合することが重要です。