HPLC(高速液体クロマトグラフィー)

HPLC(高速液体クロマトグラフィー)は、液体中の成分を分離し、カンナビノイドなどを識別・定量するための分析法です。測定条件や試料の前処理によって結果が異なり得るため、分析値は試験条件と併せて確認する必要があります。

この記事の要点

  • HPLCは、液体中の成分を分離し、カンナビノイドの種類や含有量を調べる分析方法です。
  • 分析値を読むときは、対象ロット、単位、測定条件、LOD・LOQなどを併せて確認する必要があります。
  • HPLCによるカンナビノイド分析だけでは、残留農薬や重金属などの検査結果まで判断できません。

HPLCとは

HPLCは「High Performance Liquid Chromatography」の略で、日本語では高速液体クロマトグラフィーと呼ばれます。試料を液体の移動相とともにカラムへ通し、各成分がカラム内を移動する速さの違いを利用して分離・分析する方法です。 CBD、THC、CBDA、THCAなど、複数のカンナビノイドの識別や含有量の測定に用いられます。ただし、「HPLCで分析済み」という記載だけで、検査範囲や製品全体の品質を判断することはできません。

HPLCでカンナビノイドを分析する仕組み

試料に含まれる成分は、カラムを通過する過程でそれぞれ異なる時間に検出されます。この検出までの時間や、標準物質との比較をもとに成分を識別し、検出信号から含有量を求めます。分析結果は、成分ごとのピークを示すクロマトグラムや数値表としてまとめられることがあります。 成分を分離する部分がHPLCであり、実際にどのような情報を取得できるかは組み合わせる検出器や分析条件によって変わります。そのため、分析法の名称だけでなく、試験報告書に記載された条件や測定対象を確認することが大切です。

分析結果を見る際のポイント

得られる値は、測定対象、試料の採取方法、希釈・抽出などの前処理、使用するカラムや検出器、標準物質、測定条件によって異なり得ます。また、酸性カンナビノイドと中性カンナビノイドを区別して測定するか、合算値へ換算するかによっても表示の意味が変わります。 単位が割合で示されているのか、重量当たりの量で示されているのかも確認が必要です。異なる製品や試験報告書を比較するときは、単位と換算方法がそろっているかを見ます。 ND(不検出)という記載も、成分が完全に存在しないことを必ずしも意味しません。検出限界であるLODや、数値として定量できる下限を示すLOQとの関係を確認することが重要です。

HPLCとLC-MS/MS・GC-MSの違い

LC-MS/MSは、液体クロマトグラフィーによる分離と質量分析を組み合わせた分析方法です。HPLCという表記だけでは検出方法まで特定できないため、試験報告書では装置名や分析法の詳細も確認します。 GC-MSは、気化させた試料を分離して質量分析する方法です。HPLCとは試料の分離方法や測定条件が異なるため、異なる分析法で得られた数値を比較する場合は、前処理や換算方法を含む試験条件の違いに注意が必要です。

CoAで確認したい項目

CoAを確認する際は、HPLC使用の記載だけで品質や安全性、製品の効果が保証されるとは判断できません。少なくとも、対象ロット、試験日、分析機関、測定項目、結果の単位、LOD・LOQ、分析法の記載を確認しましょう。 製品ラベルの濃度表示とCoAを照合する場合も、同じ成分、単位、ロットを比較する必要があります。総THCなどの合算値が示されているときは、個別成分の実測値なのか、換算式を用いた値なのかも確認します。

HPLCだけでは確認できない項目

残留農薬、重金属、微生物、残留溶媒などは別の検査項目です。カンナビノイドの種類や含有量を示す分析結果だけでは、これらの検査が実施されたかどうかは判断できません。CoAではカンナビノイド分析のページだけを見るのではなく、検査項目の一覧と各結果を分けて確認することが重要です。

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